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外反母趾とは足の親指(母趾)の先が外側に反って曲がった状態をいいます。男性よりも女性に多く、特に成人女性が好発年齢ですが幼少期に発症する場合もあるため注意が必要です。
外反母趾の問題点は変形そのものよりも「母趾が使えなくなる」ことにあります。母趾が曲がっていることで母趾の踏ん張る力が弱まるため歩行が不安定になったり、母趾以外の部分に問題が発生したりすることになります。
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外反母趾の症状
はじめは母趾そのものの症状で発症するものの、変形が進行すると「母趾が使えなくなる」ために母趾以外の症状の方が強くなっていきます。
- 足の親指(母趾)の付け根の関節の痛みと赤み
- 足の親指と人差し指(第2趾)の間の痛み
- 足の裏に硬いタコができて痛い
- 土踏まずが疲れやすい
- 母趾だけでなく足の指先全体に力が入りにくい
- 足の小指(小趾)の外側または裏の痛み
- 足の甲が歩くと痛い
外反母趾の原因
ハイヒールなどの先が細い靴などによる外的要因、関節の柔らかさ・足趾周囲の筋力バランスなどの内的要因が考えられますが、明らかな要因は分かっていません。また、関節リウマチの合併症としても有名です。
進行した外反母趾では「母趾が使えなくなる」状態となるため、足の他の部位や膝関節・腰椎にも影響がおよぶことがあります。特に内側縦アーチの低下をきたす扁平足との関連は高いと言われています。
外反母趾の検査方法
問診・視診・触診
まずは問診にて、患者さまご自身のお考えやお悩み生活習慣や既往歴についてお伺いします。また、視診・触診にて状態をしっかり確認します。その後、必要であれば各種検査を行います。
レントゲン検査
骨そのものの状態を確認するためにレントゲン検査を行います。
外反母趾の進行度合いを示す指標の一つとして外反母趾角があります。
具体的には、母趾の中足骨の軸と基節骨の軸が交わる角度を指します。
通常、この角度が大きくなるほど外反母趾の進行が進んでいることを意味し、
以下の様に分類されます。
正常 :20度未満
軽度外反母趾 :20度から30度未満
中等度外反母趾:30度から40度未満
重度外反母趾 :40度以上
外反母趾の治療
保存治療
外反母趾の治療のポイントは「母趾を使える状態に戻す」ことです。必ずしも母趾を元の形に戻すことではありません。
①正しい靴を選ぶ
足の甲から踵の部分までがフィットして安定していること、趾先には適度な遊びがあることが重要です。
②装具療法
足の土踏まずや横アーチを補正するための足底挿板や、母趾と人差し指(第2趾)に挿入する趾間装具を用います。
③運動療法
足ゆびを開くような体操を行います。手を使って外反母趾を矯正する方向へ母趾を動かす運動のほか、足の筋力で足ゆびを開く体操、ゴムひもを使った体操(Hohmann 体操)などがあります。
手術治療
変形した形を元に戻す手段は手術しかありません。しかい、保存治療と同様に手術治療の目的は「母趾を使える状態に戻す」ことです。従って手術で形を戻すだけでは不十分で、手術後のリハビリが重要になります。
外反母趾はさまざまな要因が重なって起こるため、重症度に応じた手術方法が選択されます。当クリニックでは、①中足骨遠位骨切り術、②中足骨骨幹部骨切り術、③ラピダス法(第1TMT関節固定術)、④MTP関節固定術のいずれかの方法で対応しています。